核心地域 ~3,000m級の山々の山岳景観、原生的な自然環境、貴重な動植物の生息地~
南アルプスは、3,000m級の山々が連なる重量感あふれる山岳景観を形成し、海底からの隆起により形成されたその地形・地質は、日本列島の誕生に関わる重要な遺産となっています。また、豊かな降水量と複雑な気象条件により多様な生物相が形成されています。キタダケソウを始めとした貴重な高山植物の宝庫であるとともに、ハイマツ群落や特別天然記念物のライチョウの生息地として、世界の南限に位置します。
山岳景観
南アルプスの地質は白根山系・赤石山系が主に中生代の付加体からなる一方、甲斐駒・鳳凰山系は花崗岩でできています。隆起による山脈の成立は、岩石の古さに比べて新しくここ100万年ぐらいにわたる急激な地殻の上昇によるものです。この山地の内部には、深海底を造っていた岩石が長期間の地殻変動を受けて隆起してきた記録が見られます。また、現在でも引き続く隆起活動と温暖多雨な気候を反映した深い峡谷と、豊かな植生を持つ地形が発達しています。