核心地域 ~3,000m級の山々の山岳景観、原生的な自然環境、貴重な動植物の生息地~
南アルプスは、3,000m級の山々が連なる重量感あふれる山岳景観を形成し、海底からの隆起により形成されたその地形・地質は、日本列島の誕生に関わる重要な遺産となっています。また、豊かな降水量と複雑な気象条件により多様な生物相が形成されています。キタダケソウを始めとした貴重な高山植物の宝庫であるとともに、ハイマツ群落や特別天然記念物のライチョウの生息地として、世界の南限に位置します。
高山植物
今から約2万年前をピークとする最終氷期には今の日本の年平均気温より7~9℃も低く、日本は大陸と陸続きでした。この時代、寒冷な気候に生活していた大陸の植物が日本に南下してきました。その後、気温も上がり後氷河期になると、これらの植物は、再び寒冷な気候を求めて移動し、現在、高山の山頂域などに孤立し分布しています。南アルプスは、多くの高山植物の生息地の南限となっています。